陶器の茶渋やコーヒーの跡、くすみなどは、長く使い続けるうちにどうしても蓄積しがちです。そこで役立つのが、キッチンでおなじみの重曹(炭酸水素ナトリウム)です。重曹は環境にやさしく、研磨作用やアルカリ性による分解作用を持つため、陶器の汚れをスムーズに落とすことができます。ここでは、重曹を使った陶器掃除のポイントを詳しくご紹介します。
1 | 洗い桶やボウルなどにぬるま湯を張る |
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2 | 重曹を大さじ1〜2杯程度加えてよくかき混ぜる |
3 | 汚れが気になる陶器を浸け置きし、10〜20分ほど放置する |
重曹を使って汚れを落とす際の最初のステップとして、ぬるま湯に重曹を溶かした「重曹水」を活用する方法があります。
浸け置きしている間に、茶渋や食品汚れなどの酸性の汚れが重曹によって徐々に分解され、落ちやすくなります。その後、柔らかいスポンジや布で軽くこすり洗いをすれば、汚れがスルリと落ちやすくなるはずです。
重曹は粒子が細かい天然の研磨剤でありながら、金属たわしほど強く表面を削ることはありません。そのため、陶器の風合いを保ちつつ、汚れをこすり落としやすいという特徴があります。
さらに、重曹は水に溶けると弱アルカリ性を示すため、酸性汚れ(茶渋・コーヒー渋など)を分解しやすく、洗浄効果を高める働きも期待できます。洗剤ほど泡立ちが強くない一方で、肌や環境への負担が少ないこともメリットです。
重曹は粒子が細かいとはいえ、強く擦りすぎれば陶器の釉薬を傷つけてしまう可能性があります。特に、繊細な絵付けや貴重な作家物などは、一部分で試してみて問題がないか確認することをおすすめします。
通常は柔らかいスポンジや布を使い、優しく撫でるように洗えば大丈夫ですが、もし傷が気になる場合は重曹を溶かして浸け置きするだけにとどめ、擦る回数を最小限にしてください。
1 | 小皿などに重曹を入れ、少量の水を足して練る |
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2 | ペースト状になったら、汚れ部分に直接塗り込む |
3 | 5〜10分ほど放置した後、スポンジで軽くなじませながら洗い流す |
茶渋のように部分的に濃くなった汚れや、カップの底のリング状のシミなどには、重曹と少量の水を混ぜ合わせてペースト状にする方法が効果的です。
重曹ペーストは、汚れにじっくり作用するのがポイントです。気になる汚れが一度で落ちきらない場合は、何度か繰り返してみてください。
重曹洗浄の後は、ぬるま湯または水道水でしっかりすすぐことが大切です。重曹が表面に残ってしまうと白い粉っぽさが残ったり、後々の使用感に影響を与えることがあります。特に細かな模様や凸凹のある陶器は、念入りにすすいで重曹の残りを落とすようにしましょう。
念入りにすすぐことで、重曹のアルカリ性成分を中和し、食器の安全性や風味を損なわないようにする効果もあります。最後に乾いた布巾などで水分を拭き取り、しっかり乾燥させれば、汚れのないきれいな仕上がりになります。
日常的な汚れや茶渋であれば、重曹をぬるま湯に溶かして浸け置きするだけでも十分に落とせます。しかし、長年蓄積した頑固な汚れや匂い、あるいはよりしっかりと除菌したい場合などは、煮沸洗浄が効果的です。ここでは、重曹を使った煮沸洗浄がどのような場面で有効か、具体的な方法や注意点を解説します。
煮沸洗浄は、高温で殺菌すると同時に重曹のアルカリ性が汚れを分解するため、通常の浸け置きでは落としきれない汚れや雑菌を一気に除去できるところが大きなメリットです。特に、臭いが強く染みついている場合や、ヒビの隙間に汚れが入り込んでいる場合には、煮沸することで内部の微生物まで退治できる可能性があります。
一方で、陶器は土や釉薬(うわぐすり)の種類によっては急激な温度変化に弱いことがあります。煮沸による熱と衝撃で割れたり傷んだりしないよう、扱いには十分注意が必要です。
陶器がしっかり浸る深さがある鍋を準備します。陶器同士がぶつかって割れないよう、余裕をもって入れられるサイズがおすすめです。
鍋に水を入れ、重曹を大さじ1~2杯ほど加えます。汚れや臭いがひどい場合は、重曹の量を少し増やしても構いません。完全に沸騰する前に陶器を入れておくと、急激な温度変化を避けられます。
完全に沸騰させると陶器を傷める可能性があるため、ふつふつと小さな泡が出る程度の火加減を保ちます。5~10分ほど煮沸した後、火を止めてそのまま湯が冷めるまで放置してください。ゆっくりと温度を下げることで、陶器にかかるダメージを最小限に抑えられます。
十分に冷めたら陶器を取り出し、水かぬるま湯で重曹成分をしっかり洗い流します。仕上げに柔らかいスポンジなどで軽くこすって汚れを落とし、最後はよくすすいでから自然乾燥させましょう。
陶器は素材によっては熱膨張率が異なり、いきなり高温にさらすと亀裂や割れの原因になります。常温から徐々に加熱し、加熱後もすぐに冷水に入れるなどの行為は避けてください。
磁器は焼成温度が高く、硬くて割れにくい傾向にありますが、陶器は比較的低温で焼かれ、吸水性も高いです。煮沸洗浄は特に陶器に負担がかかりやすいため、あらかじめ高価な作家物や傷つきやすい器の場合は、小さな部分やいらない欠片でテストするなど慎重に行いましょう。
陶器の表面に施された釉薬は、熱やアルカリ性の影響で剥がれたり変色することがあります。特に彩色が鮮やかな器や、装飾が多い伝統工芸品などは、煮沸前に念入りに確認してください。
日常的な汚れや茶渋は、重曹を水かぬるま湯に溶かして浸け置きしたり、ペースト状にして部分洗いする程度で十分落ちます。
頑固な黒ずみや臭いが気になる場合、またはしっかり除菌したいときには、重曹煮沸を検討してみましょう。ただし、陶器自体にリスクが伴うので、どうしても落としたい汚れがあるときの最終手段として活用するのがおすすめです。
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