土鍋や陶器の目止めは、器を長持ちさせるための重要な手入れです。この記事では、目止めの必要性や具体的な方法、注意点を詳しく解説します。
目止めとは、陶器や土鍋などの吸水性の高い器の内部に目に見えない膜を作る作業を指します。主に米のとぎ汁や小麦粉を使い、器の内部に汚れや水分が浸透するのを防ぐ目的で行われます。この処理を行うことで、器の耐久性が向上し、カビや臭いの発生を抑えることができます。
陶器や土鍋は多孔質構造であるため、使い始めに目止めを行わないと、調理時に食品や油が内部に浸透しやすくなります。その結果、汚れが取れにくくなったり、器自体が劣化する原因となります。また、目止めをすることで器の表面が滑らかになり、使用感が良くなるという効果もあります。
目止めをしない器は、水や油が内部に染み込みやすくなり、使用中にひび割れやカビの発生を引き起こす可能性があります。また、食品の臭いや色素が染み込むと、美観を損ねるだけでなく、衛生面でも問題が生じます。
米のとぎ汁に含まれるデンプンが器の細孔を埋め、吸水性を抑える効果を発揮します。
この方法は、米のとぎ汁が手に入らない場合の代替手段として便利です。
目止めを行う際は、必ず器を完全に沈めるようにしましょう。また、急激な温度変化を避けるため、火を止めた後に自然に冷やすことが重要です。処理後は十分に乾燥させてから使用してください。
陶器は吸水性が高く多孔質であるのに対し、磁器は硬く滑らかな表面を持ち、吸水性がほとんどありません。この違いが目止めの必要性に影響します。
目止めが必要な器は、素焼きのような質感で、吸水性の高い素材で作られています。特に土鍋や一部の陶器製品は目止めを行うことで寿命が延びます。
磁器やガラス製の器は吸水性がほとんどないため、目止めを行う必要はありません。また、釉薬が全面に施されている陶器も目止め不要です。
目止め処理を行った器は、使用後にぬるま湯で洗い、柔らかい布で水分を拭き取ることを心がけましょう。洗剤の使用は最小限に抑え、器の表面を傷つけないようにします。
保管時は、風通しの良い場所で完全に乾燥させてから収納します。また、複数の器を重ねる場合は、間に布やクッション材を挟むことで傷や破損を防げます。
目止めの効果は使い続けるうちに薄れていきます。そのため、半年から1年に一度再実施することで、器の吸水性を抑え、美しさと機能を長く保つことができます。
目止め後も器が水を吸う場合は、目止めの時間を長くするか、煮沸後に冷めるまで完全に浸しておく時間を延ばしてください。また、米のとぎ汁の濃度を濃くするのも効果的です。
シミや臭いが気になる場合は、重曹水やお酢を使って浸け置き洗いを行いましょう。その後、再度目止め処理を行うことで改善されることが多いです。
目止めを忘れて使用した場合、食品が内部に浸透し、器の劣化が早まる可能性があります。この場合でも、使用後に適切な目止め処理を行えば、一定の効果を取り戻すことができます。
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