陶磁器(陶器・磁器)の取り扱い方を詳しく解説。使い始めの目止め処理から、日常のお手入れ方法、保管時の注意点まで、陶器を長持ちさせるためのポイントを紹介します。
陶器と磁器は同じ「焼き物」でも、原料や製造工程に違いがあり、それぞれ独自の特性を持っています。陶器は柔らかい粘土を主原料とし、比較的低温で焼成されます。このため、吸水性が高く、温かみのある質感が特徴です。一方、磁器はカオリンを含む硬い土を使用し、高温で焼成されるため、硬質で薄く、透け感のある仕上がりになります。また、陶器は衝撃に弱いですが、磁器は高い耐久性を持つため、使用目的に応じて選ぶことが大切です。
陶器と磁器の違いと見分け方陶器は多孔質で吸水性が高いため、そのまま使用すると水分や油分が内部に染み込みやすく、カビや汚れの原因となります。目止め処理を行うことで、陶器の表面に保護膜を作り、吸水性を低下させることができます。この処理は、特に新しい陶器を使用する前に行うのが理想的です。
この工程により、陶器の表面に薄い保護膜ができ、汚れやカビを防ぎます。
使用後は、すぐにぬるま湯と中性洗剤で洗浄します。硬いスポンジやたわしは使用せず、柔らかい布やスポンジで優しく拭き取りましょう。洗浄後は、水分をしっかり拭き取り、風通しの良い場所で完全に乾燥させることが重要です。湿気が残るとカビや臭いの原因になります。
頑固な汚れには、重曹やお酢を活用すると効果的です。重曹を少量の水でペースト状にし、汚れ部分を優しく擦った後、水で洗い流します。また、お酢を水で薄めてスプレーし、5分ほど置いてから拭き取ることで、茶渋や油汚れを簡単に除去できます。
陶器を保管する際は、湿度が低く、通気性の良い場所を選びます。特に梅雨や夏場には湿気が溜まりやすいため、シリカゲルなどの乾燥剤を一緒に保管すると良いでしょう。
陶器を重ねる場合は、一枚ずつ布やクッション材を挟むことで、傷やヒビを防ぐことができます。また、頻繁に使用するものは手前に置くことで、取り出す際の衝撃を軽減できます。
陶器の中には電子レンジや食洗機に対応していないものもあります。使用前に必ず取扱説明書や裏面の表示を確認しましょう。対応していない場合、高温や高圧で割れる可能性があります。
陶器は急激な温度変化に弱いため、冷たい陶器に熱い液体を注ぐことや、加熱直後に冷水で冷やす行為は避けてください。温度変化でヒビや破損が生じる可能性があります。
陶器は使用を繰り返すうちに目止めの効果が薄れることがあります。定期的に目止め処理を再実施することで、吸水性を抑え、汚れや劣化を防ぐことが可能です。
陶器表面に現れる貫入(細かなヒビ模様)は使用上問題ありませんが、内部に汚れが染み込む原因になることもあります。軽度の場合は重曹やお酢で浸け置き洗いを行い、ひどい場合は専門業者に相談すると安心です。
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